法律情報コラム(個人)

遺産分割とは

遺産分割は、亡くなられた被相続人の遺産を相続人の誰が取得するかを決める手続きです。

遺産分割を考えるにはまず誰が相続人であるかを確認する必要があります。そのためには、被相続人が生まれたときから亡くなるまでの戸籍を調べて、子どもや配偶者の有無、いなければ父母、祖父母、孫、兄弟というように民法の相続人の規定に基づいて相続人の範囲を確認していきます。

次に遺産分割の対象となる被相続人の死亡時の財産を具体的に確認する必要があります。遺産の範囲の確認です。相続開始時にあった財産で、分割時にもあるものでなければなりません。

そのうえで遺産分割時の遺産の評価が必要になります。

遺産分割は相続人全員が話し合い、全員の合意でおこなわれなければなりませんので、実務では全員の合意であることを示すために、遺産分割協議書に全員が署名し、印鑑証明書をそえて実印を押印することによって行います。

例えば不動産の遺産分割を第三者に対抗するためには相続登記をする必要がありますが、相続登記をするためには全員の印鑑証明書と実印の押印と署名がなければ法務局で相続登記をすることはできません。

話し合いで遺産分割の合意ができないときには、裁判所に遺産分割の調停を申し立てます。調停でまとまらなかったら事件は審判手続きに移行し、裁判官が遺産分割を決定します。